日本インテリアコーディネーター協会

『52間の縁側』施設見学報告会

間もなく大寒ではありますが…

八千代市にある老人デイサービスセンター『52間の縁側』施設見学報告会を熱く開催しました。

1. 建築・空間構成の核となる思想

  • L字型の崖地という敷地特性を活用:長い「縁側」を中心とした木造軸組工法の建築。
  • 「不便益」の受容:段差を排除せず、筋交いや手摺のない箇所を残すことで、五感や身体能力を刺激し、周囲との助け合い(自立と見守りの共存)を促している。
  •  環境との共生:深い庇や周囲の樹木で西日や風をコントロールし、高気密高断熱に頼りすぎない「自然のリズム」を大切にしている。
  • 素材と情緒:中古の無垢材、アンティーク家具、再利用の型ガラスなど、経年変化を楽しめる素材が安心感を生んでいる。

 

2. 運営とコミュニティのあり方

  • 「管理しすぎない自由」:利用者の尊厳と自律を最優先。
  •  ごちゃ混ぜの交流:子ども、地域住民、学生、ボランティアなどが自然に出入りし、多世代が混ざり合う「開かれた場」として機能している。
  • 役割の創出:キッチンへの自由な出入りや、庭づくりワークショップへの参加など、利用者や地域住民が「居場所」と「役割」を見出せる仕組みがある。
  • ケアの思想:「人が人として最期まで生きる」ことを模索し、認知症の方や動物とも自然に接することで自尊心を取り戻せるような環境が整っている。

 

3. wellness interior 研究会への示唆

  • 人中心の空間設計:建築・インテリア・運営が分断されず、一体となって「生き方そのもの」を支えていることが重要である。
  • 自由と安全のバランス:効率重視の介護ではなく、あえて「管理しない」ことで生まれる居心地の良さは、今後の高齢者シェアハウス計画における大きな研究テーマとなる。
  • 価値の転換:立地や予算といったマイナス要素を、創意工夫と地域連携によって独自の価値へと昇華させている。

<企画・運営>ウェルネスインテリア研究会 担当:米重綾子、安森量子、廣田泰子、高橋茜
<お問い合せ>wellness.interior.icon@gmail.com

Date

2026 1月 28日
Expired!

Time

8:00 AM - 6:00 PM